一発選考を止めてみよう
こんにちわ。
羽々Jr.の高橋です。
本日は関係各所から怒られそうな内容です。
話題は「一発選考を止めよう」です。
-------------
目次はこちら
1.現状説明(福岡県筑後地区の場合)
2.一発選考トーナメントの利点と問題点
3.筑後地区の現状から考える「提案」
終わりに
-------------
1.現状説明(福岡県筑後地区の場合)
福岡県では年間通じて、大会が2つあります。
①全国小学生バドミントン大会に繋がるもの
地区予選 6月
県予選 7月
九州・・・
みたいな感じで続きます。
単複、どちらかしか出れません。
②県選抜大会に繋がるもの
地区予選 1月
県選抜大会 3月
単複どちらも出れます。
この他に筑後地区独自の取組として、
③交流会
春 単
秋 単複
冬 団体戦
があります。
団体戦以外、トーナメントです。
交流会は出来る時はコンソレーションがあります。
まとめると、
「多くの大会で」「弱い子は」「1日中会場に居て」「1~2試合しか出来ない」、ということです。
2.一発選考トーナメントの利点と問題点
次に一発選考の利点と問題点を考えてみます。
①利点
・主催者側の労力が1日で済む
・本番(県大会~全国大会)の勝ち方を練習できる
⇒トーナメントで何試合もする勝ち方、1日居た時の会場の温まり方によるシャトルの跳び方の変化等を経験出来る
・「競争」を起こせる
②問題点
・強い子だろうが弱い子だろうが、その日に何らかの事情で参加出来なかったら、権利がない。
⇒コロナ、インフルエンザ等の感染症、怪我、忌引き等
・運要素が出てくる
⇒ドローで第1シードの山に入った
・「競争」が起きる
・弱い子は試合の機会が少ない
ここでトピックとして上げたいのは、2つです。
A.参加出来なかった場合
コロナ禍前もインフルエンザ等ありましたが、コロナが起きてからの大会欠席リスクは以前の日ではありません。濃厚接触者でも出場不可です。
この点で社会情勢と合っているか、微妙な所があります。
そもそも、「一発選考」というのは選考方法として最適ではない、と他競技でも言われていることです。(理由:その日の調子で左右される等)
B.競争選抜は人口が多い時に有効
競争選抜は文字通り「ふるいにかける」方式です。
つまり、大きなタレントプールがあるときに有効です。
負けた人を蹴落としていく方式。
そこに良い悪いはありません。
そのような価値観の方式なので、これはしょうがないです。
3.筑後地区の現状から考える
さて、本題です。
一発選考トーナメント方式が筑後地区の「今」に合っているのか?
結論から言うと、私は「もう合ってないから変えたらどうか?」と考えています。
具体的にこう考えています。
①県大会への選考方法は、月1回、3か月位予選練習会をする。各地区持ち回り(筑後地区には、筑後北、筑後南、久留米北、久留米南の区分があります)
②選考方法はランキング制にする。(例:参加で1ポイント、勝利で1ポイント、組み換え時はポイントが其々の半分を足す等)
③既存の大会は全て交流会とし、全ての参加者がレベルにあった子と複数回試合が出来るようにする。
理由は3つです。
①子供の人口、参加者、「競技人口」が減っている。
②各クラブの特徴が違いすぎる
③強化選抜と普及育成を両立させるべき
①子供の人口、参加者、「競技人口」が減っている。
まず、この間、シードの子が複数名、コロナで出れませんでした。
そして、筑後地区は御多分に漏れず人口減少局面なので、子供の数も少なくなっており、さらに参加者ではなく、競技レベルの子というのはどんどん減ってきております。
というわけで、大会に出てきている参加者でもバドミントン競技になっているかと言われると「?」がつく子が多いです。
シードの子が出れない可能性がある。
弱い子が1回しか試合経験を積めない。
この2点で局面にあっていません。
②各クラブの特徴が違いすぎる
大別すると3つのクラブがあると思います。
・早期専門特化の流れを汲んで、強い子が居るクラブ。(U代表選手も排出している実績がある所もあります。)
・普及に努めて、クラブ員がとても多いクラブ。
・田舎にあるや聴覚障害等の理由で、試合機会に恵まれないクラブ。
田舎にあるやサイレントBCさんのようなクラブは、練習試合を組んで試合機会を確保、というのが自力では厳しいと勝手ながら思っています。
となると、組織としてその子たちの「スポーツする権利」を守ってあげる必要があるでしょう。
また、普及に努めてクラブ員がとても多いクラブは、基本的に指導に手が回っていないことが多いです。
クラブ員がとても多いので、何人か能力が高い選手が居ます。そのような子は、「予選練習会」に参加することにより、同じようなレベルの子と打つ機会が発生します。(中間層の底上げ)
クラブの指導者も初心者や能力の低い子の改善に注力することが出来ます。
そして、既存の大会で「負けて1回しか試合出来なかった、つまらない」となる可能性を排除し、「複数回試合することで、負けたとしても、課題を抽出して、その日の内に改善できた、または試すことが出来た」となれば成功体験を持てます。(=ドロップアウトを防ぐ)
③強化選抜と普及育成を両立させるべき
筑後地区として強化選抜と普及育成、両方大事です。
U代表の選手が出るくらい才能ある子も地区に居ます。
一方で普通に頑張って上を目指している子が居ます。
そのような子達が、「コロナで出れなかった」や「ドローが悪くて出れなかった」なんてことがないようにしていくべきです。
(案では、一応、「距離」にも考慮して各地区持ち回りにしています。予算的にも少ない人数での練習なら体育館を改めて借りる必要もないかもしれません。)
一方で、そのうような子が中学、若しくは高校で筑後地区「外」に出て行ってしまうのが現状です。
現在の筑後地区に強豪校がないためです。
筑後地区のバドミントン界が豊かになっていくためには、この記事で「弱い子」と表現している子たちを大切にしていく必要があります。
この子たちが地元の色んな高校に進学してバドミントンを続けてくれることが、長い目で見て、筑後のバドミントン環境を良くしてくれるはずです。
(スポーツは何でもそうかもしれませんが、特にバドミントンは上手い人と付きっ切りで打って貰うと、上手くなりやすいですもんね)
しかしながら、この子達は指導者が言うように「上を目指しているか?」というと個人的には疑問です。
「上手くなりたい」とは思っていると思いますが、「No.1」になりたいと思っていますかね?
終わりに
私の具体的な提案も一発トーナメント選考も方法論に過ぎません。
従って、この案に拘っているわけでもありません。
大事なことは、「子供達が大人になった時、どうなっているか?」です。
筑後地区は高校は最弱地区と言っても過言ではありません。
小学生で強かった子は越境してしまいますから・・・
一発トーナメント方式は「『強い子』優遇的且つ運任せ」という側面があります。
子供が少なくなっていく局面であり、またスポーツの在り方を問われる時代でもあります。
柔軟な対応を大人がしていきたいですね。
それでは、また☆
最新記事
すべて表示こんにちわ! 羽々Jr.の高橋です。 2024年8月23日~25日、千葉工業大学新習志野キャンパスで行われたサマーキャンプにスタッフとして参加してきました。 講師は全英2位の実績を持つ飯野佳孝さんと宮崎大学名誉教授の廣田彰先生。...
コメント