オーバーハンドストロークの修正について その2
こんにちわ!
羽々Jr.の高橋です。
前回に引き続き、「オーバーハンドストロークの修正について」です。
今回も、あくまで「私の考え」であって、セミナーの考えを代表しているわけではありません。
悪しからず、ご了承ください。
専門的な話にはなりますが、セミナーは「スポーツバイオメカニクス」的な観点からお話されることが多く、私のブログは「スポーツ運動学」的な観点からの話が多いため、混乱される読者もいらっしゃるかと思います。
しかし、「両方大事だからしょうがない!」と思って、頑張ってついてきてください(笑)
それでは、目次です。
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1.論点の確認
2.なぜテイクバックが短くなるのか?
ここまで前回の記事
ここから今回の記事
3.直し方の例
終わりに
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3.直し方の例
前回の記事で紹介した原因の内、④は発育の時期的な物なので置いておいて、①~③に全面的にアプローチしていくことが大切だと個人的には思います。
①エネルギー系体力が制限された形でコ・オーディネートしている
②運動感覚図式の違い
③運動リズムの違い
④クラムジー
これらにアプローチしていく方法論として、過去記事の
「指導論まとめ 2023.11月現在 その2~その3」
を提示していますので、ぜひ読んでみてください。
方法論とは、「目的」じゃないので色々な方法を取っていいということです。
決して正解ではない(=これで直ることもあれば、直らないこともある)ですし、他の方法を否定しているわけでもないです。
その辺り、ご了承の上、お読み頂ければ幸いです。
ここでは、過去記事で書けなかったことを、少し追記したいと思います。
「指導論まとめ 2023.11月現在 その2~その3」を実施する時や、違う練習でも参考になれば幸いです。
(1)股関節の使い方の重要性
個人的に大事だと考えているポイントは股関節の使い方です。
理由は2つあります。
①フットワークとオーバーハンドストロークの繋ぎの部分
②運動連鎖の起点の部分
①フットワークとオーバーハンドストロークの繋ぎの部分
バドミントンでは
「後ろに下がった時のブレーキ」と「オーバーハンドストロークの起点」を繋げる必要があります。
前回記事の動画を再掲してみましょう。
・悪い例
・良い例
(上手くクリップ出来ていなかったら、2分43秒~47秒を繰り返しご覧ください)
山口選手はフットワーク後、すぐに「ホップ」出来るような股関節の使い方をしているのがわかるでしょうか?
「捻り」が入ったり、「ドロップスクワット(抜重)」のようであったり、現象的には色々種類がありそうですが、感覚的には「下から上」の感覚で私はやっています。
それに対し、悪い例では「ホップ」が出来ないような止まり方をしており、何となく「交通事故」のようになっています。
このような場合、「指導論まとめ 2023.11月現在 その2」で紹介した「・しゃがんでからハイジャンプしてキャッチ」のようなことをすると変わってくるかもしれません。
つまり、股関節の使い方が大事、ということですね。
②運動連鎖の起点の部分
野球のピッチャーは股関節を上手に使います。
これも前回記事の動画をもう一度見てみましょう。
いかがでしょうか?
クイックで投げるにしろ、ワインドアップで投げるにしろ、股関節を引き込んでエネルギーを溜めている様子が見て取れます。
バドミントンのように「後ろに下がった時のブレーキ」という局面が無くても、投動作には「股関節の引き込み」が重要なのです。
(2)運動感覚図式の違い 肘の曲げ伸ばし×
セミナーでもいらっしゃったのですが、打点を高くしようとして「肘の上げ伸ばし」の「意識」が強い方がいらっしゃいました。
特に「弓を引く」系のテイクバックをされる方に多く見受けられます。
もう一度、野球選手の動画を観てましょう。1分29秒あたりに則本選手のスローが出てきます。わかりやすいように静止画も付けておきます。
いかがでしょうか?
基本的には「円運動」に見えると思います。
現象として「肘の伸展」が起きているように見えるかもしれませんが、本人の意識の上では「曲げ伸ばそう」という意識は無いに等しいと推察します。
(本人に聞いてみないとわかりませんが・・・)
「円運動」がよくわからん!
と言う方は、マエケン体操をしてみましょう!
(3)運動感覚図式の違い 打点を高くして沈める×
ちょっと語弊がありますが、「打点を高くして沈めよう」「打点を高くしてネットを越えよう」というゴール(行為)を設定している方はミスが多いです。
セミナーでもストレートワイパーカットの複数人での移動練習になった途端、「ミスしたくないからか打点を高くしてミスをする」方がいらっしゃいました。
なぜ「打点を高くしようとする意識」がいけないのかというと、理由は2つあります。
1つ目は、動作が「点」になってしまうからです。肘を最大限に伸展させたり、腕を耳に着けるように伸ばしたりしてみると、わかるかと思いますが、ロックしてしまうような感覚があると思います。
2つ目は、シャトルの軌道のイメージです。「打点を高くしよう」≒「最大限に沈めてやろう」という意識になり、ネットの白帯をギリギリ通過するようなイメージを持つ方が多いのではないかと推察します。
悪いイメージ(調整できない)
良いイメージ(調整できる)
ネットの高さは約155㎝、ラケットの長さは68㎝以内。
大人の方であれば、身長+腕+ラケットで155㎝超えるのではないかと思います。
則本選手の静止画の2枚目~3枚目辺りの局面で、肩甲骨や肘の高さを調節することにより、「ネットを越えて沈む高さの『範囲』」に調整していくイメージにしていくと良いです。
ましてや、カットやドロップとなると「スピンをかけて沈める」ことになるので、「直線」ですらなく「曲線」になります。
「ネットを越えて沈む高さの『範囲』」というのは無数にあるので、「ネットに引っかけるリスク」を限りなく低く抑えることができます。
というわけで、「打点を高くしよう」ではなく、「目的に合わせて、これくらいで良い」という意識で臨みましょう。
※補足
「運動一回性の原則」というものがあります。例えば、シャトルの散り方で落下速度が変わる、風が吹いた、自身の態勢や状態(疲れ)等は、毎回違うということです。
そんな中、「コ・オーディネーション」Co(協働して)-Ordination(調整)することに「ドンピシャ」に上手い人は合わせているわけです。
野球のピッチャーに関する研究ですが、「始動局面にバラツキはあるが、終末局面に向かって動作が安定している」そうです。
目的に向かって、身体が「コ・オーディネーション」している、というのは終末局面の安定性が大事と言えるかもしれません。
終わりに
いかがでしたでしょうか?
セミナー中、私もオーバーハンドストロークでノックを出していましたが、大体このようなことを考えながら、ノックを出していました。
ネットにかけることは、(特定の練習を除いて(;^ω^))、少なかったと思います。
参加してくれた方、わかって頂けますよね?(笑)
セミナーに参加してくださった方なら、オンラインでも指導出来る気がしますので、何かあればご連絡ください!
それでは、また☆
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