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コーチ1研修を受けてきた振り返り 功(方法論)と罪(スキャモンの成長曲線)

こんにちわ!

羽々Jr.の高橋です。


2022年12月17日、コーチ1養成講習会に聴講生として座学のみ参加させて頂きました。

実習に参加出来なかったのが、とても残念でなりません。


本来、資格を取るための講習ですが、福岡県バドミントン協会のご担当:宮崎様のご厚意により聴講生も参加可ということで、私にとっては大変有難い機会でした。


宮崎様、講師の岩崎先生、磯下先生、並びに会場や練習生の用意や監督をしてくださった南筑高校の大屋先生、誠にありがとうございました。


私がコーチ3の共通科目を受けたのが2年前、専門実習を受けたのが1年前と時間が経っており、改めて学び直すこと、日々の活動の振り返りが出来る素晴らしい機会だったと思います。


「個人的な」振り返りを記事にしたいと思います。


繰り返しますが、あくまで「個人的な」考えです。

組織を代表したり、あるいはコーチ3という資格の立場を代表したり、するものではありません。

誰かを貶める気も一切ありませんので、宜しくお願いいたします。


(めっちゃ予防線を張ってみる・・・)


~目次~

1.受けて良かったこと

 ①考えが近い指導者と知り合いになれた。しかも、同地区の方も。

 ②方法論(アイディア)が学べる。

2.スキャモンの成長曲線を元にしたゴールデンエイジ理論への批判


1.受けて良かったこと

①考えが近い指導者と知り合いになれた。しかも、同地区の方も。


有りがちな感想で申し訳ないですが、結構大事です。

よく言われるのですが、「経験による指導」をしている方が多いので、「論理的な指導」及び「プレーヤーズセンタードな指導」を学びに来ておられる方々と知己を得るのは、精神的にも心強いものがあります。

コーチ3では全国カテゴリーなので、参加者も全国からいらっしゃいますが、コーチ1は地区対象、講習主催者も県協会なので、同地区の方がいらっしゃる可能性が高いようです。


今回、自分の教え子と同じ代&他クラブの卒業生が受講しており、将来を頼もしく感じました☆(大学1年生で偉すぎる・・・。教育学部ということで、こちらが色々教えて欲しい・・・。)


研修受けてない、「経験による指導」をしているからって、プレーヤーズセンタードじゃないコーチだ、なんて言ってるわけじゃないですよ。(;^ω^)


②方法論(アイディア)が学べる。

このような研修会では、哲学や理念、理論をティーチングされることが最低限あります。

+集合研修だと、それらから参加者自身の実践に変えた発表があることが多いです。

これが非常に役立ちます。


参加者の指導前提の違い(対象年齢、レベル、プレーヤーの人数、指導者の数等)によって、実践というのは変わるので、ティーチングされることが理論等に寄るのは仕方がありません。

そこからひねり出す実践が現場では大事。

そして、そのような実践は「コロンブスの卵」的な事が多く、考えつくのは大変だけど、思いついてしまえば簡単、なことも多いです。(1個思いついて、理論的な背景を理解すると、そこから枝分かれして、色々思いつくことも多いです。)


私は今回「5点の命ゲーム」というのを学んだので、さっそく自クラブで実践しました。

・点を取る、より、点を取られないが重要になる

・効率的な運営が可能

なので、7点1ゲームと使い分けると面白いと思っています。



2.スキャモンの成長曲線を元にしたゴールデンエイジ理論への批判

さて、ここから先の記事は本質的にはコーチ1養成講習会とは関係が無いと思います。

バドミントン界の教材への批判になります。


批判:良い所、悪い所をはっきり見分け、評価・判定すること。


「悪口」等ではなく、より良くしたいという私の思い・・・というのをご了承して読んでください(;^ω^)

こういうの苦手・・・という方は、読むの止めましょう!


以下、段落分けしておくので、興味あるところだけ読んでください(笑)


◆どんな提示の仕方だったか?

◆スキャモンの成長曲線の功罪

◆スキャモンの成長曲線を元にしたゴールデンエイジ理論の何が問題か?

◆終わりに



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◆どんな提示の仕方だったか?


まず、始めに断りを入れておきますが、今回の養成講習で使用された教材『ベーシックコーチ』には、スキャモンの成長曲線の話は出てきません。(『スタートコーチ』に載っているかは、未購入なのでわかりません。)

『バドミントンの指導理論1』には載っています。

『Action Plan 2011』にも出てきます。


今回の養成講習では、講師の方の口頭で、

・統計的に結果を出している選手は、幼少期からラケットを握っている

・スキャモンの成長曲線も神経型の発達は小3~小4で完成されるので、スピンネットやハイバックはこの時期からやっておかないと習得しづらい。自分自身はラウンド指導全盛だったので、ハイバックを大人になってから身に付けられなかった。

のようなことを言われました。


と、まあ、さわり程度の話だったので、養成講習会の本筋ではなかったわけです。

しかし、話題として刷り込まれてるほど、浸透しているということでもある、と私は思いました。


-------------

◆スキャモンの成長曲線の功罪


スキャモンの成長曲線が紹介されたのは、『クリエイティブ・サッカーコーチング』小野剛著1998年 だと思います。(間違ってたら、すいません)

『バドミントンの指導理論1』P120にも名前が出てきます。


スキャモンの成長曲線を元にしたゴールデンエイジ理論は、

「小3~小4の時期に神経系の発育が完成されるから、その時期に専門技術を習得しやすいからたくさん練習しましょう!」

のように一般的に理解されているのではないでしょうか?


①功

低学年から競技バドミントンを始める子供が増え、ABC大会等の開催と相まって、競技成績が上がったことは、私が言うまでもない、誰もが認めることだと思います。


②罪

これは個人的な考えです。

競技バドミントンの本質的な「普及」に寄与しているのでしょうか?

例えば、

・小さな子から始めてないと上手くなれない、みたいな印象を与える

→中高大社始めの人に変な印象を与えている


・小さな子からやり始めさせようと、親やコーチ、周りの大人がさせようとする。

→過熱化。


特に後者が問題だと考えています。

本養成講習会でも、「ジュニア始めの子の高校卒業後の競技継続率の低さ」が話題になりました。

この問題に対して、早い時期から「させられてきてしまったため」というのも大きな一因だと私は考えています。

スピンネットのような専門技術の習得って反復練習が要ります。「小3~小4」って「反復練習」ができる精神年齢なのでしょうか?(;^ω^)

逆に、反復練習して変なくせがついてしまった子を、私は多く見かけています。

上手くなった子と変な癖がついた子で言えば、後者の方が多いのではないでしょうか?


やらされた挙句、癖がついて、大会には出されて勝てないし、自己肯定感爆下がりして・・・という悪循環が最悪生まれていると思います。


そして、その循環が進学にも繋がっていると最悪です。

・小さな時からバドミントンしかしてきてない

・少子化でバドミントンの推薦枠が余っている(特に地方)

・指導者からしても、2年半という短い時間で矯正している時間はない(レギュラー優先の練習)

のような感じで、高校を時代を過ごし、卒業後、バドミントンから離れることになる、のようなストーリーを想像してしまいます。


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◆スキャモンの成長曲線を元にしたゴールデンエイジ理論の何が問題か?

(小俣よしのぶさん 2019年avexセミナー参考)


「小3~小4の時期に神経系の発育が完成されるから、その時期に専門技術を習得しやすいからたくさん練習しましょう!」の何が問題かについて話していきたいと思います。


結論から言うと、「理論的に無理があるから」です。


問題点

・スキャモンさんは、650の遺体から調べた+他の研究者の解剖の知見

→個体の「量的変化」を追っているわけではない


・神経「量」も怪しい

→死亡直後から滲出液や身体水分の漏出、血液量の個体差等、様々な要因がある

→全身の神経を取ってない。臓器や器官に複雑に入り組んでいるため。


・そもそも神経の「量」が運動を覚えるのに重要な要因なのか?

→量が増えて運動能力が上がるなら、全ての子供の運動能力が一定レベルまであがるはず。

というか、大人こそが運動を覚えるのに最適な時期になるのでは・・・?


というわけで、スキャモンの成長曲線を元にしたゴールデンエイジ理論には無理があります。

そもそも、スキャモンさんは、ゴールデンエイジ理論の証明のために解剖しまくったわけではないらしいです。

平均的事例モデル(=イメージ)の作成のため、くらいのグラフだと考えられています。

(だから、全身の神経を取らなくても、当たらずとも遠からず、という判断をしたのかも?)

統計学的にも抽出対象の偏より等が示されてないので、微妙とのことです。


何より一番問題なのは、読み取る側が個人差を考えられなくなっている、ことです。


プレヤーズセンタードを伝授しに来た講師の方が「小3~小4から専門技術を教えた方が良い」と無意識に言ってしまう程の「わかりやすさ」に問題があります。


プレヤーズセンタードの「プ」の字も知らない保護者やコーチなんて、イチコロだと思いませんか?(;^ω^)


-------------

◆終わりに

2011年のアクションプランから10年以上経ち、バドミントンの競技成績は、はっきりと上がっています。

一方で、ジュニアの現場で良く出会う過熱化の問題、バーンアウトの問題、等、解決出来ていない問題や傷が広がった問題もあると思います。

また、少子化の進行や部活の地域移行等、2011年とはまた違った社会課題も出てきています。


難しい事ではありますが、競技成績を落とさず、それでいて普及(=バドミントンを通じた皆の幸せ)にも繋がるような、新たな理論(方針)を打ち出していく必要があるのではないでしょうか?


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勢いに任せて長文書いてしまいました・・・

最後まで読んで頂いた方、ありがとうございます。


それでは、また☆

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