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指導論まとめ 2023.11月現在 その6

更新日:2023年11月12日

こんにちわ!

羽々Jr.の高橋です。


今回から第2章的な感覚で書き始めております。

その5までは「コ・オーディネーション能力」や「自己有能感」等の運動全般にも通じる用語が出てきましたが、今回からは「バドミントン関係者しか面白くないかも・・・」的な感じになります。


バドミントン関係者じゃなくても読んで頂いたら、「お、テレビの試合はそういうことを狙っているのか!面白い」って思われるように頑張ります。


それでは、始めます。


--------------

目次

1.ショットの分類について(シングルス)

2.四方球/禹開

3.四方球の球?禹開の球?

◆終わりに

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1.ショットの分類について(シングルス)

皆さんは「ショットの種類について分類してください」って言われたら、どのように分類しますか?


私は高校からバドミントンを始めたのですが、「ドライブ」「クリア」・・・のように教わったのですよね。従いまして、分類はこのような感じでした。


図1


しかし、今は「これでも良いんだけど、この方が良いのじゃないかなぁ・・・」というのがあります。それが下記です。


図2

「四方球」「禹開」というのは、コーチ3で習った中国の基本戦術用語です。

定義としては、

・四方球:相手コート4つのコーナーに打ち込み、相手をホーム・ポジションから追い出し、チャンスを見て攻め込むこと。

・禹開:コートの前後/左右/全体にアトランダムに打球し、相手を大きく回してホームポジションから引き離すこと。

と習いました。


正直、これだと僕には違いがよくわかりませんでした・・・

なので、独自解釈で、

・四方球=距離

・禹開=早さ(時間的に早い、タイミングが早い)

としております。

ここは独自解釈なので間違っていたら、有識者の方、ぜひご指摘ください!


2.四方球/禹開

四方球的な攻防というのは、このような感じです。

・ロングサーブでバックバウンダリーラインまで相手を追い込む。

・クリアやロブ等も頭を越えるように打つ。

・ヘアピンもネット際に落ちるように打つ。相手の移動時間を考慮して、適正に浮かす/取らせたい位置に落とす。

のような感じです。



禹開の攻防というのは、このような感じです。

・全体的に球が浅い(クリアはドリブンクリア、ヘアピンもサービスライン位に落ちるように)

・タッチを早くして、相手のオープンスペースに配球、あるいはオープンスペースを意識させて配球


3.四方球の球?禹開の球?

試合を見ていると、「禹開系の展開なのに、四方球系のヘアピンを打って、相手に時間が出来てしまい、復活されてしまった」あるいは「四方球系の展開なのに、禹開系のヘアピンをしてしまい、相手の走る距離が短くなり相手のタッチが早くなって、自分が苦しくなってしまった」みたいな場面を良く見かけます。


そのような時に、選手に「今、どんな球打った?」と聞いても、キョトンとされることが多いです。


原因としては少なくとも2つ、私が考えているのは、

①戦術意識がないため、来た球に反応しているだけ

→将棋の定石のように、基本戦術を覚える。用語を統一して、コーチ(第3者の目)と意思疎通が出来る様にする。

②シャトルのターンオーバーとスピンと時間と空間の関係が理解できていない

→シャトルとのコ・オーディネーション能力を上げる。

です。


まず①についてです。これは、まずは戦術用語を覚えるのも大事ですが、1.ショットの分類について(シングルス)でご紹介したショットの分類の仕方も大事なように思います。図1のような理解だと、「自分が打ちたいショットに意識がいき、来た球に反応する」ような気がしています。図2のような理解だと、「相手にさせたいこと(相手をどのように攻めたいか)が明確になり、目的に合わせてショットを選択する」ようになる気がしています。


次に②についてですが、この能力のために「1人遊び」や「2人/3人遊び」、「トルクプッシュ」「ワイパープッシュ」を弊クラブでは重要視しています。


こちらの動画をご覧ください。

注目しているのは7打目です。

7打目までは若干ZHANG選手が劣勢、若しくはイーブンに見えます。この7打目で完全に逆転しているように見えます。

「タイミングが早い」展開の中で、「相手のオープンスペース」を見つけて、「適切にラケットをシャトルの側面に入れ」、「初速を上げるために回転を掛ける」ことによって、相手が遅れています。言葉にするとこのような感じになると思いますが、このようなことを「パッと考えて出来る」「コ・オーディネーション能力」があるということだと思います。


そのためには「シャトルの特性」や「ラケットとシャトルがコンタクトした時に何が起こっているか」を理解しておくことが重要でしょう。


過去にいくつかご紹介していますので、ご興味ある方はご覧ください。


過去記事は長いから、ちょっと・・・と言う方は、下記の動画をご覧ください。

「後ろ回りにターンオーバーさせることによって」、「コルクを早めにした向きに落ちるようにして」、「相手に上げさせる」みたいなパターンですね。

こういうのは、私は四方球に分類しています。


◆終わりに

いかがでしたでしょうか?


私はこの記事のようなことがわかって、改めて


『バドミントンの歴史に学ぶ』阿部一佳・渡辺雅弘著 P10

-----

①「遊びの誕生」(1人遊び)用具の発展等

 上手くなりたい・・・感情、意識、意志

②「遊びの発展」(2人遊び)様式の発展等

 打ち続けたい・・・競争、協同。2,117回の寓意

③「萌芽的ゲームの誕生」(技術指向の分化)バドミントン・バトルドアーの出現

 打ち勝ちたい・・・コート・ルールの原形の形成

④「バドミントンの成立」

-----引用終わり

の重要性を確認しました。


私が高校で学んだもの、と公認指導者資格などから学んだもの、「体系」が違うと思うのですよね。

どのような指導体系にするのか、というのはバドミントン界全体で確認して、修正していきたいなぁ、と思っています。


もちろん、私の理解が間違っている可能性はありますが・・・


何かの参考になれば幸いです。


それでは、また☆

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