指導論まとめ 2023.11月現在 その9
更新日:2023年11月21日
こんにちわ!
羽々Jr.の高橋です。
前回、ダブルスのオフェンスの基礎的なフォーメーションをご紹介したので、今回はディフェンスのお話をしたいと思います。
今回も『ウィニング・バドミントン ダブルス』ジェーク・ダウニィ著に書いてあることに依拠しております。
ぜひ、ご購入されてみてください!
それでは、目次です。
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目次
1.ダブルスの守備フォーメーションの整理
◆終わりに
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1.ダブルスの守備フォーメーションの整理
ダブルスの守備フォーメーションの主なものは下記4つです。
①センターディフェンス
②ディープディフェンス
③フォワードディフェンス
④ダイアゴナルディフェンス
守備の陣形は「寸分違わず、こうしなさい!」的なものより、状況によって採用する概念みたいなものだと私は思っています。
最初に図示してから、例を示していきたいと思います。
①センターディフェンス
一般的なディフェンスフォーメーションです。
相手と互角の状況で良く使われます。
②ディープディフェンス
深めに守るフォーメーションです。
相手のスマッシュが速い時や状況が劣勢の時等に使われます。
動画の最後に前衛のTAN選手がディープディフェンス取っていますが、返せませんでした。
しかし、ここで1本返せていると、ラリーをイーブンの状態に戻せる可能性があります。
①②共に前回の「フロント&バックフォーメーション」や「サイドアタッキングフォーメーション」に対応するディフェンスフォーメーションとされています。
③フォワードディフェンス
前で守る・・・というか、最早攻めているフォーメーションです。
こういう展開を作っていくのが理想だと思うので、私は「陣取りゲーム」や「砂場で遊ぶブルドーザー」のイメージがダブルスにあります。
保木選手の繋ぎ玉をキッカケに始まるフロントディフェンスのやりあいの動画です。
このように、センター/ディープ/フロントの概念を理解して、状況に合わせて目まぐるしくポジションを変更しましょう。
④ダイアゴナルディフェンス
こちらもダブルスの醍醐味と私が思うフォーメーションです。
「ダイアゴナル」とは「対角線の」という意味です。
前回の記事の「チャンネルアタック」や「ウェッジアタック」に対応するディフェンスフォーメーションとされています。
etc.
結論から言うと、「彼を知り己を知れば百戦殆からず」的な感じで、自分たちの能力と相手の能力、どこに「罠」を張るかという戦略次第で色々変えていくことが出来ます。
例えば、ミックスだと割と男子側が「広い」傾向にあります。
でも、「読めたら」前に行くこともあります。
ZHENG選手の読みにHUANG選手(Dongping)が読み勝ってますが、こういう駆け引きがダブルスの醍醐味ですよね。
また、劣勢でも前に出ることもあります。
HUANG選手(Yaqiong)がクリア打った後のZHENG選手の位置に注目です。
「絶対に劣勢を覆す」「Huang.Y、そこだけよろしく!」みたいなのが伝わってきます。
Feng選手のスマッシュが凄すぎて、上手くいきませんでしたが、その後も目まぐるしくポジションを変更して、何とか返そうとしています。
ご紹介したのがいずれも「失敗例」なのですが、この試合はZHENG/HUANG.Yペアが勝っています。
でご紹介しましたが、「初心者に比べて上級者は読みが当たる数も多いが、外れる数も多い」=「予測している数が単純に多い」です。
「1つ読みが当たれば形勢逆転出来る(ことが多い)」競技というのがバドミントンの特性だと思っています。
ミックスだと極端な例が多いので、他の例もご紹介しておきます。
高橋/松友ペアです。松友選手が前衛(セット)、と役割がはっきりしていますので、結構一般的なダイアゴナルディフェンスが良く出てきます。一般的、というのはクロス側がフォワードディフェンス気味のポジショニングをしていて、早くシャトルに触るということです。
一方で、松友選手独特のポジショニングもあると思っています。
松友選手の特徴は「フォア構え」だと思っています。
次の動画は、「ダイアゴナル(松友選手クロス側)」→狙い通り、CHENG選手後衛&松友選手ストレート側の場面が出てきますが、私ならシングルスのサイドライン位まで寄り添うな場面でも、かなりフォア側を空けています。
そのような「釣り」の効果か、CHENG選手はクリアを上げてきて、狙い通り?JIA選手のバック側に上げる→松友/高橋がフロント&バックフォーメーションとなっています。
このように「自分たちの得意なことを押し付ける」「相手の嫌なことをし続ける」という表現の仕方もフォーメーションの理解によって出来てくると思います。
◆終わりに
いかがでしたでしょうか?
自分達の特徴に合わせてフォーメーションの選択を出来ると良いですよね。
これが出来ると、どんな社会人のペアと組んでも割と「納得」出来ます。
「今の失敗は力量的にしょうがない」とか「今のはポジショニングミスだったな・・・」とか「読みに行ってなかった・・・攻撃原則保とう!」等。
ダブルスに限らず、その1~その9まで読んで頂いてから、トップ選手の動画を観て頂くと結構面白いのではないかと思っています。
とりあえず、この「指導論まとめ 2023.11月現在」シリーズは、その9で終わります。
何か書きたいことが出て来れば再開するかもしれません・・・
若しくは、「これ書いて欲しい」ということがあれば、連絡ください。
それでは、また☆
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