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バドミントンコーチングセミナー サマーキャンプ 2023参加 その2(振り返り2)

こんにちわ!

羽々Jr.の高橋です。


今回も全英3位の実績を持っていらっしゃる飯野佳孝さんのバドミントンコーチングセミナーに参加したお話です。


今回は参加した方への私なりのアドバイスのような記事です。

今後参加される方の参考になると思いますし、宣伝にもなるように頑張って書きたいと思います。


それでは、参ります。


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目次

1.「コツ」と「カン」

2.「スキル」と「テクニック」

3.体系立てられた「テクニック」

4.飯野さんによる「スキル」の「コツ」の紹介

5.「カン」を掴もう

終わりに

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1.「コツ」と「カン」

「コツ」と「カン」という言葉があります。

皆さん、1度は聞いたことがあるとは思いますが、違いがわかりますかね??


スポーツ運動学の大家、金子明友先生の定義によれば、「コツ」は「身体それ自体に居合わせている身体知(運動能力)」、「カン」は「身体とそれを取り巻く動感志向の状況との関わりの中で動き方を選び決断して実行に移せる身体知」となります。


ちょっと難しいので言い換えると、「コツ」が「身体の動かし方」、「カン」が「環境に合わせる能力」となります。




2.「スキル」と「テクニック」

もう1セット、言葉の定義をしておきます。

こちらも金子先生の定義を参考にしたものですが、「スキル」は「自分が習得した自分だけの技」、「テクニック」は「誰にでもわかるように理解や習得しやすいように出来ている、あるいは指導出来るように作られているもの」です。


「コツ」と「カン」、「スキル」と「テクニック」の違いを理解した上で、以下の記事を読んで頂くと良いかと思います。




3.体系立てられた「テクニック」

バドミントンコーチングセミナーでは飯野さんの「スキル」を「テクニック」化して、且つ体系立てて教えてくれます。

こちらが本セミナーの大きな特徴です。


私がコーチ3を取得した時に、講師の方が「トップ選手や実業団選手のご参加の方は『豊かなバドミントン観を持っています。それを大切にしてください」と仰っていました。


全英3位のバドミントン観が理論的背景を元に「テクニック」化されているという事は大きなことだと思います。


今回のブログラムがこちらから取得できます。


1日目に「バックハンドワイパープッシュ」「バックハンドトルクプッシュ」というのが出てきます。(リンクをクリックすると飯野さんの解説ブログに飛びますので、ぜひ)


この技術が2~3日目の「バックハンドドライブ」「ハイバックスマッシュ」「ハイバッククリア」「ハイバックワイパードロップ」「スマッシュをドライブで返球」「高めのスマッシュをワイパーで返球」「低めのスマッシュをワイパーで返球」に繋がっています。


というわけで、将来参加をご検討される方は、なるべく1日目から参加された方が良いですね(;^ω^)

また、参加された方で「上手くできなかった」という方は、1日目から復習されると良いかと思います。




4.飯野さんによる「スキル」の「コツ」の紹介

講義やデモンストレーションで飯野さんによる「スキル」(我々に取っての「テクニック」)の「コツ」の紹介があります。


ハイバックスライスドロップ を例に取って説明します。


この「4.」「5.」はハイバックスライスドロップとバックハンドトルクプッシュの動画を脇に置いておきながら読むと読みやすいと思いますので、ご準備ください。


の時に「ラケットヘッドの軌道は、三日月型になるようにしましょう。」と言われます。

これは「コツ」です。つまり、「身体の動かし方」です。

あくまで「コツ」であって、「スキル」そのものではありません。

従って、

・「三日月型に振らなければならない!」、「最高の三日月型は何度だから、こう振らなければならない!」等と選手が思うこと

・指導者が「三日月型になってないよ~!」「もうちょっと手首の形をこうしよう」とノック中に指導すること

は、私はあまり良くないと思っています。


あくまで、素振りの時に何となく思っておくと良い、ということだと私は理解しています。


一方で、「コツ」が分かっていないと「スキル」習得のスタートラインに立てませんので、振り方の紹介が強調されるのは当然です。

ここら辺が集団が対象のセミナーでの難しい所ですね。


5.「カン」を掴もう

私が見ていて、ハイバックスライスドロップを習得できない原因を分類すると以下の3つに別れます。


①ラケットの感覚がわかっていない。

②シャトルの感覚がわかっていない。

③打点とネットの高さの関係、自分とネットまでの距離が分かっておらず、落としたいところのイメージが無い


これらはまとめると「カン」です。つまり、「環境に合わせる能力」です。


①ラケットの感覚

「ハイバックスライスドロップ」は「バックハンド2」で打ちますが、「バックハンド2」が出来ていない方が居ます。そのような方は「バックハンドトルクプッシュ」に戻った方が良いかもしれません。

ラケットの面の「カン」を掴むことが出来ます。


なぜ戻った方が良いかと言うと、「ノッカーの球が自分に向かってくる時に、大体コルクが自分の方に向いてくる」からです。しかも下に打つので、シャトルの動きを繊細に操作する必要がありません。押し込めば下に行くからです。

「下に打つ」というシャトルの感覚も掴むことが出来ます。


②シャトルの感覚

「ハイバックスライスドロップ」と「バックハンドトルクプッシュ」の動画を見比べてみてください。

先ほど「バックハンドトルクプッシュ」は「コルクが自分の方に向いてくる」と記述しましたが、「ハイバックスライスドロップ」はノッカーからフィードされたシャトルが垂直に落ちて来ることが多いです。(コルクが下向き)


・シャトルの右左真ん中

シャトルの右左真ん中、どこを打つかが重要になってきます。

もう一度「ハイバックスライスドロップ」の動画を観てください。打てている子は、練習者から見てシャトルの「奥」にラケットを入れています。

感覚がわかっていない子は、「手前」に入れてサイドアウトすることが多いです。


・シャトルのターンオーバーと回転

ここでシャトルの特性を2つおさらいしておきます。

①シャトルを打つと、いつかのタイミングで、シャトルはコルクが進行方向を向いて飛びます。これをターンオーバーと言います。

②シャトルを打つと、いつかのタイミングで、シャトルは必ず同じ方向に回転します。回転がすると、シャトルは安定して飛びます。


このシャトルの特性が「三日月型」に振る理由です。

主な目的としては、

①セカンドタッチでスカート部分(羽の部分)がストリングに干渉するのを避けるため

②自分の打ちたいイメージに合わせて、コルクを進行方向に向けるため

の2つです。


①セカンドタッチでスカート部分(羽の部分)がストリングに干渉するのを避けるため

図示すると下図のようになります。

ラケットに当たると、シャトルはターンオーバーしますので、スカート部分がラケットの方に向いてきます。この時にスカート部分がストリングに干渉すると変な音がします。また、図のように「シャトルの形にあったラケット面を作れてない場合」も変な音がします。


②自分の打ちたいイメージに合わせて、コルクを進行方向に向けるため

もう一度「ハイバックスライスドロップ」の動画を観てください。

時々、ネットに引っかけていないでしょうか?特に打点が低くなった時。

あるいは、サービスラインより向こうに「意図せず」伸びている等。


これは何パターンかのシャトルコンタクトがあります。



・シャトル全体を捉えた時

・シャトルの下半分を捉えた時(あるいは、コルクだけを打った時)


あくまで大別したイメージ図なので、参考程度で考えてください。


動画の中でのミスで、

・ネットの高さ付近で打ち、ネット上部に当たっている。(フォロースルーでコルクを上に向けていない)

・ネットより低い所で打って、ネットを越えなかった。(フォロースルーで回転や力を伝えきれず、飛びが安定しなかった)

のようなあります。


このようにシャトルの動きを理解しておく必要があります。



③打点とネットの高さの関係、自分とネットまでの距離が分かっておらず、落としたいところのイメージが無い

「運動一回性の法則」という言葉があります。自身や環境の状態が同じことは1回もないため、その運動を達成するには1回だけの「状態」でドンピシャで合わせなければいけない、みたいなことを「運動一回性の法則」では言われます。つまり、「カン」です。


バドミントンは「対人」スポーツであり、「連続性」があります。

相手が打ちやすい打点で配球してくれるわけではありませんし、打った後に次のプレーが待っています。


「自分がコートのこの位置で、この打点で、相手の位置がこの辺だから、これくらいの軌道で打てば繋がる!」みたいなことを、一瞬で把握できなければなりません。つまり「カン」です。(過去記事の「予測について」もご参考ください)


従って、上述した

・指導者が「三日月型になってないよ~!」「もうちょっと手首の形をこうしよう」とノック中に指導すること

が良くないと私が思うのは、「カン」が働かなくなるからです。

「三日月型になってないよ~!」「もうちょっと手首の形をこうしよう」というのは、内的なキューイングと言います。

例えば、手首の形をもう少し直したいのであれば、「シャトルの形に合わせよう!」等の外的なキューイングをまず試します。

「今、ネット越えた?」や「サービスラインの手前と奥、どっちに落ちた?」等の事実を聞くのも比較的使うキューイングです。

上手く出来ていたら、事実を褒めましょう。


このように、練習者の「カン」を刺激する、感覚に訴えるような声掛けが望ましいと思います。

ぜひ試してみてください。


終わりに

今回はバックハンドスライスドロップに言及して、記事にしてみましたがいかがだったでしょうか?

私の力不足で読みづらい、わかりづらい構成になっているかなぁ、と思います(;^ω^)


また、コーチングセミナーでは「ダブルスのトレーニング」や「ダブルスのノック」等、ここに書ききれなかったことも、たくさんやっております。


ご興味を持たれた方は、ぜひご参加をご検討ください。

ご参加された方には、本記事が何かの参考になれば幸いです。


それでは、また☆


追伸

勉強すればするほど、飯野さんの凄さが理解できるようになる、と思ったセミナーでした。

例えば、プログラムの構成に「カン」が含まれていると理解出来たのも今回です。

ダウニーさんの教科書で勉強したダブルスの「戦術」(飯野さんは「戦法」と呼ばれます)も、今回の講義ではご紹介されていました。

現代表のプレーを見ながら行われる「戦法」の講義は、とても面白く、これだけでも有意義なものでした。


次回、参加する際に自分もしっかりパワーアップして参加出来ればいいな、と思います。

頑張ります!





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