原理から方法を考える
こんにちわ!
羽々Jr.の高橋です。
今回の内容もDAHセミナー「基礎からの育成理論:小俣よしのぶさん」を受けて考えたものです。
この記事は若干?かなり?煽り成分が入っております。
過去の自分への戒めでもありますので、ご容赦ください。
それでは目次です。
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1.原理、理論、方法
2.運動の原理、バドミントンの原理
3.社会への寄与、社会課題の解消に向けて
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1.原理、理論、方法
セミナー序盤にこんな言葉が出てきます。
「方法に皆さん飛びつきたがる」
「原理なき理論は単なる自論」
かなりのパワーワードですよね。
ですが、これはとても共感しております。
今回はコーチ3で学ぶ内容を絡めて、ご紹介したいと思います。
まずは、言葉の定義から。
「原理」
物事の最も大事な根本の性質や要素、確実な根拠によって本当であると認められた物事
「理論」
あらゆる物事や事象に共通する法則、つまり原理をまとめた知識
「方法」
目的と目標を達成するためのやり方や手段
次に、「方法に皆さん飛びつきたがる」「原理なき理論は単なる自論」に共感した点です。
例えば、下記①~④って「目的」に対して「方法」があっていますかね?
①フットワークを速くしようとして、ラダートレーニングをたくさんする
②バドミントンの基本だから、フットワークや素振りを「最初に」教える
③試合に勝てるように、パターンノックをする
④運動能力を上げようとして、リズムトレーニング
こういうこと皆さんやってませんでしたか?(;^ω^)
私は④以外やってました(爆)
自分の練習としてもコーチとしても。
SNSでも散見されています。
①~④はどれも熟達するとキレイに見えるので、見栄えが良いからですかね?(;^ω^)
では、この①~④の何がいけないのでしょうか?
それは原理を踏まえた方法ではないからです。
目的にあっていません。
2.運動の原理、バドミントンの原理
◆バドミントンの原理ってなんだろう?
原理とは「物事の最も大事な根本の性質や要素」を含みますが、バドミントンの「最も大事な根本の性質や要素」って何でしょうか?
それはやはりa.「2人(以上)でやる」b.「コートがある」c.「ネットがある」d.「ラケットがある」e.「シャトルがある」ではないでしょうか?
a.b.までだとサッカーやバスケ、c.までだとバレーボール、d.までだと卓球やテニスが対象になるので、e.まで含めてバドミントンの競技特性を構成する要素だと思います。
こちらをご覧ください。
このブログではよく登場する動画です。
過去の記事
ご覧いただきましたかね?
①~④と動画、つまりバドミントンの違いは、「相手とやり合う」ことです。
「相手が何をするか、どこにいるのか等の情報を取得」し、「自分の選択により相手の反応を引き出す」、そして「相手の反応により、更に自分の選択をしていく」ということです。
簡単に言えば、「相手を見ること」です。
素振りがきれいになったり、フットワークを3歩でシャドーしていると「出来る人」みたいに見えて良いですよね。
子供にやらせたくなるの、わかります。
親ウケも良いのでしょう。
自主練している動画が上がっているのを良くSNSで見かけます。
でもそれは「原理」を抑えてますかね?(;^ω^)
試合になったら「何も反応できない・・・」で終わっている子を見かけることが多い気がします。
動画の方々はフットワークも素振りも今と違いますが、凄く上手いと思います。
相手を見て状況に合わせて、スキルを選択しています。
(余談ですが、状況というのは、当時の道具の性能も含まれるでしょう。)
このように「原理なき理論は単なる自論」状態で「練習メニュー」を組んでいる人がジュニアバドミントン界に多いのではないか?という懸念を私は持っています。
◆運動の原理
さて、ここから個人的にかなり悩ましい話です。
結論から言うと、「競技バドミントンとは大半の子供にとって、運動能力を上げる助けにならないのではないか?」ということです。
先ほど、わざと「練習メニュー」と書きました。
話としては②です。
②は競技バドをする上で、皆さん必需品と考えられていると思います。
私も現代の競技バドをする上で、必需品だと思います。
しかし、詳しくは過去の記事
で書いたのですが、
・必需品である競技の「型」に嵌めようとすると、
・基礎的な運動能力/体力が足りない子たちは
(特にコロナ禍で運動能力/体力が落ちているとされている現代の子)
・エネルギー系体力が制限されてしまう形でコーディネートされてしまう
ということです。
つまり、低学年層、あるいは高学年中学生でも、「競技」バドミントンの普及は運動能力の向上に寄与しない=社会課題を解決しえないのではないか?と疑問に思っています。
(すべての競技に言えることかもしれませんが・・・)
従って、私は基礎的運動能力や体力を上げることに努め、なるべく教えずに素振りやフットワークを獲得してもらおうと思っています。
そのように「プログラム」を考えます。
そうすると、ウチのクラブの人的資源/インフラ資源では、競技バドミントンは二の次になります。
しかし、
一部の「運動神経良い」子のために他の子を犠牲にする競技クラブ
より
地域の子の運動能力を向上させるクラブ
の方が公益性が高いと判断して実施しています。
これは良い悪いだけではなくて、前者のクラブは既に多くあるから、という理由もあります。
参考にしている活動がセミナー内でも出てきます。
3.社会への寄与、社会課題の解消に向けて
◆いわきFCの取組
その活動とは、いわきFCの取組です。
いわきFCは、福島県いわき市の社会課題を
・震災以後、子供の運動能力の低下及び肥満児の増加
・経済の低調(=習い事にかける費用が家庭にない)
・過疎化
等と捉え、「スポーツを通じて社会価値を想像する」を理念として活動しています。
いわきFCのサイトから引用します。
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「スポーツを通じて社会を豊かにするために、未来ある子供たちを育てます。
サッカークラブは社会的な存在であり、地域と共にあります。我々はこれを自覚し、地域に溶け込み、スポーツアカデミーを無料で実施して、ドームいわきベースを地域に開放し、心身共にスポーツを通じて成長した真のアスリートを育てていきます。」
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サッカーに拘っていないのですね。
でご紹介した図を再掲しますが、下図の中で、
基礎的な運動能力や運動要因を向上させるような活動を低価格若しくは無償でしていらっしゃるのだと思います。
例えば、いわきスポーツアスレチックアカデミー(以下、ISAA)です。
なにより素晴らしいのは、理念として発信している所が何より素晴らしい。
◆バドミントン界の活動は?
では、バドミントン界はどうか。
私が比較的先進的なチームだなと思うのは、ACT SAIKYOさんと北都銀行さんです。
活動内容を分類してみました。
①支援学校への活動 →社会貢献活動
②初心者(子供)への技術指導 →バドミントンの普及活動?
③大人への技術指導 →愛好者との交流
④バドミントン塾っぽいこと →地域強化
抜けがあったら申し訳ないです。(-_-;)
いわきFCと比べてどうでしょう?
社会課題を解決しようとしてますかね??
勿論、持っている資源等は違うと思いますが・・・
印象として、上図のスポーツ技能への貢献が多い気がします。
バドミントンに拘って活動するのも良いのですが、そうであれば基礎的運動能力や基礎的運動要因にアプローチする方法も考えた方が良いのでは?と思います。
その場合、バドミントン特有の身体リテラシーをもっと明確にしていきたいですね。 例えば、柔道ですが、SNSにこんな投稿がありました。
柔道界が出している指針の中に「精力善用、自他共栄」という言葉があります。
このような所にヒントがある気がします。
筆者の町に子供達が自由にバドミントンをしている施設があります。
打ち方や動き方は、めちゃくちゃですが、凄く楽しそうで鍛えられている感があります。
初心者の大人の方がバドミントンすると筋肉痛になる、とよく聞きますし・・・
色々なアプローチを考えたいですね。
いずれにせよ、2チーム、それ以外のチームも「もっと活動を発信していくべき」だと思います。
そして、「何がバドミントン特有の貢献」で、また「バドミントンに囚われずに広く自分たちが出来ることは何か」、ということを考えて、段階的/多角的に活動をしていくべきだと思います。
いわきFCも勿論、普及だけでなく、ユースやトップチームがあります。
結論、自チームのSPLISS研究をしてみよう、ということですね。
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◆終わりに
トレーニングの方法への批判から、チームのスポーツ政策等への批判など多岐に渡りました。
自分なりに「原理」とは何か?
を考える良い機会になりました。
ここまで考察していて、一つだけ疑問に思っていることは、バドミントンは早期専門特化の競技なのか、ということです。
実際、卓球やテニス、フィギアスケート等は競技特性や構造上(スポンサーをつける、ランキングを高める等)、選抜ラインが早く来るとされています。
ホセマリさんのツイート。
これは一時期の現象なのか・・・?
しかも、山下選手も年代別日本代表に小学生から入ってるみたいです。
競技の構造上も、早期開始/後期専門特化に落ち着いて欲しいのですが・・・
もし早期専門特化型になったとしても、自分の活動が揺らぐことはないのですが、その辺りを今後見ていきたいですね。(まずは人的資源の拡充からです・・・)
それでは、また☆
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