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指導論まとめ 2023.11月現在 その1

こんにちわ!

羽々Jr.の高橋です。


現在、羽々Jr.は24名在籍。年長~中2。

コーチは1人、お手伝いしてくれる保護者の方も増えてきました。

また、高校の指導にも少し関わらせて頂くようになり、幼児~高校の発達段階も追えるようになっています。


というわけで、現在の自分の指導論を備忘録として纏めておきたいと思います。


尚、注意点として、この指導論を読む際には、私が置かれている環境

・コーチが1人だけ

・中学にバドミントンの部活がない

・地域に強い高校や実業団も近くに無い

・社会人のバド活動も活発とは言えない地域

・地方都市且つ少子高齢化先進地域

・上記のような理由もあり、後期専門特化、早期多様化を目指しているクラブ

ということをご理解の上、お読みください。


僭越ながら、自分の地区の指導者や保護者の参考になれば良いなぁ、と強く思っています。


それでは、目次です。


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目次

1.バドミントンの指導の基本は、やはり「この構造」

2.「コ・オーディネーション能力」とは?

3.バドミントンはどんなスポーツか?

◆終わりに

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1.バドミントンの指導の基本は、やはり「この構造」

このブログに何度も登場しますが、バドミントンの指導の基本は「バドミントンの歴史的発展が、プレーヤーの段階的成長と酷似する」(筆者意訳)とされた、阿部先生と渡辺先生の提案です。


『バドミントンの歴史に学ぶ』阿部一佳・渡辺雅弘著 P10

-----

①「遊びの誕生」(1人遊び)用具の発展等

 上手くなりたい・・・感情、意識、意志

②「遊びの発展」(2人遊び)様式の発展等

 打ち続けたい・・・競争、協同。2,117回の寓意

③「萌芽的ゲームの誕生」(技術指向の分化)バドミントン・バトルドアーの出現

 打ち勝ちたい・・・コート・ルールの原形の形成

④「バドミントンの成立」

-----引用終わり


④の段階である「素振り」や「コートの中でのフットワーク」からやり始めた子は、所謂「変な癖」がつく子が多いように思います。

原因としては、色々あると思いますが、ここでは簡単に「バドミントン用の『コ・オーディネーション能力』が低いから」とします。




2.「コ・オーディネーション能力」とは?

ちょっと難しいですが、定義を説明しておきます。立命館大学の上田憲嗣先生のセミナーから引用します。

「コ・オーディネーションとは、大脳と四肢運動器が並列関係である」と捉える考え方です。それに対し、「サブ・オーディネーションとは、大脳が四肢運動器を従属している関係である」と捉える考え方です。


「素振り」や「コートの中でのフットワーク」からやり始めた子は、「こういう風に打たなければならない/こういう風に動かなければならない」と頭で考えて動き始めているように見えます。

(動作がカクカクしていたり、シャトルの下に入れなかったりする選手を見たことないですかね・・・?)


これに対して、「相手がこの状態なので、こういう球を打ちたい!」から勝手に身体が動くように、我々指導者はしてあげないといけないわけです。


では、どうしたら良いのでしょうか?




3.バドミントンはどんなスポーツか?

バドミントンはどんなスポーツなのでしょうか?

ここを「素振り」や「フットワーク」から指導し始めてしまう方は、間違えていると思います。


世の中にスポーツは色々な種類があります。

(「採点型」「対人スポーツ」「個人/集団」「コート型」等)

例えば、バドミントンは「採点基準があり、100点満点のスマッシュが打てれば優勝。しかも」という競技であれば、素振りから始めても良いかもしれません。

しかし、バドミントンは①「相手が居て」、②「相手がしてくることに対して」、③「自分の行動を決めていく」スポーツです。


従って、「②遊びの発展(2人遊び)」が出来ない人に素振りやフットワークを教えても意味がないのです。

むしろ、弊害があるくらいです。

例を2つ挙げます。

1つ目は、水泳の飛込という競技の話です。着水ではなく、緩衝材をしきつめた着地で練習することがあります。しかし、これは実際の飛込の動作と変わってきてしまうことがわかっています。それも空中での動作がです。

2つ目は、マット運動の連続技を考えてみてください。ローンダートだけをする時と、ローンダートから後転をする時の着地の動作は無意識に変わってくるのがわかると思います。


このように、人間は未来に想定していることによって、現在の動作を変えるものなのです。


従って、相手の情報をキャッチする→行動を決める、ということが身についていない子に「素振り」や「フットワーク」を教えることは、とても弊害があると考えています。


「①遊びの誕生(1人遊び)」「②遊びの発展(2人遊び)」からしてあげましょう。

これならば、指導者が1人でも、かなりの人数を見てあげることが出来ます。


ただの打ち合いだけでなく、レベルに合わせて、ネット無しドライブ、ヘアピン、ロブ、バックハンド等やっていけば、かなりの基礎力が身についていきます。

3人打ちや4人打ちも、とても良いですね。


→親が競技経験者、競技経験がある大人が子供の人数に対して十分な場合

親がバドミントン競技経験者の子供が強くなる傾向にあるのは、「②遊びの発展(2人遊び)」を徹底してあげることが出来るから、が大きな要因の1つだと思います。

子供が取れる範囲、あるいは、ちょっと頑張れば取れる範囲に球出ししてあげることが可能だからです。

情報のキャッチ→行動、というのが子供の中で徹底されていきます。


◆終わりに

大切なのは、所謂「変な癖」を付けない事、だと私は考えています。

「変な癖」がついてしまった場合、直すのはとても難しいです。


特にバドミントンで高校に進学した場合、「変な癖」を直している時間がありません。

実質、2年で結果を出さないといけない学校側としては、素材そのままで強化するしか時間的余裕も人的余裕もないからです。


「変な癖」がついていても、小学生の内は多少結果が出るかもしれませんが、中学生/高校生で伸び率が悪い、ということを良く見かけます。


というわけで、1人遊びと2人遊びの重要性がもっと広まって欲しいですね。

その2に続きます!


それでは、また☆



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