funとenjoyment 娯楽/興行/社交/教育/出世/投資
こんにちわ!
羽々Jr.の高橋です。
今日は「スポーツとは何なのか?」ということを改めて考えてみたいと思います。
ツイッターの呟きからインスピレーションを受けたので・・・
過去にも同テーマで記事を書きましたが、もう少し深堀出来るかなぁ、と思っています。
2022年4月の記事がこちら⇓
それでは、目次です。
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目次
1.funとenjoyment
2.そもそもスポーツとは何なのか?
3.各国のスポーツシステム
4.競技スポーツは運動能力の開発に役立つのか?(主にバドミントンの話)
5.採点要素を導入したらどうだろう?
6.終わりに
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1.funとenjoyment
日本大学の森丘先生が下記のツイートをされていました。
森丘先生は日本陸連の競技者育成指針に携われた方ですね。
↑スポーツ関係者は読んで欲しいですね。
では、本題。
私の気づき(疑問)。
「おお、楽しさには種類があるのか。」
「どう違うのだろうか?」
森丘先生の答えはわかりませんが、先生がリツイートしていたのがこちらのツイート。
申し訳ありませんが、金子さんについてはあまり存じ上げません・・・
ですが、私にとっては興味深いツイートが多い方です。
金子さんのツイートから
①「短命の喜び」
例:高級アイスクリームを食べる
②「大きな喜び」=自分の可能性や情熱を追求することによって得られるもの
例:マラソン選手がゴールした時
という着想を私は得ました。
そして、
①「短命の喜び」=fun
②「大きな喜び」=enjoyment
と当て嵌め、森丘先生は「どの世代のどのレベルのスポーツ活動でも、どちらの『楽しさ』も大切。」とおっしゃっていると私は思いました。
一方で、金子さんは、「スポーツはenjoymentのみ」と言っているようにも思えます。
前後のツイートを読むと若干違うようにも感じられますが・・・
この単体のツイートのみ拝読すると、金子さんの「スポーツ」には「覚悟」の要るモノと感じ取れます。
2.そもそもスポーツとは何なのか?
スポーツとは「覚悟」が要るものなのか?というのが次の話です。
「親が子供のサッカーに望むこと」という記事があったそうです。
1位:楽しくプレーすること 82.6%
2位:自主性・主体性を身につけること 79.2%
3位:礼儀・マナーを身につけること 67.4%
これに対し、ドイツ在住でお子さんがサッカーをされている日本人の方は下記のようなツイートをしています。
スポーツの語源=ラテン語の「deportare」は「日々の生活から離れる事」。
つまり、気晴らし、娯楽であると。
そして、この方は「日本人はスポーツに多くを求めすぎている気がする」としています。
外から見ると「日本人はスポーツに多くを求めすぎている」ように思えるそうです。
それはなぜでしょうか??
3.各国のスポーツシステム
ここからは「いわきFC育成研究所」やタイの小さな巨人さんから聞いた話等を使いたいと思います。
まず、ドイツです。
ドイツの人はスポーツに何を求めているのか?
◆ドイツの場合
ドイツ人がスポーツに求めているもの、それは「社交」です。
歴史的に見ると、産業革命後、労働者とかと銀行員とか交流する必要性が出てきて、それにサッカーがフィットしたそうです。ちなみにテニスは男女の出会いの場だったとか・・・
「社交」はドイツに深く根付いているというのはスポーツシステムを見ても感じ取れます。
総合型スポーツクラブのようなものがあり、会員や賛助会員の登録者数の人数/多様さ、トップチームのすぐ隣でジュニアが練習している、公益性の高さから公的協力、資本からの独立性等、勉強すると「ドイツすげぇぇえ」みたいな事例がたくさん出てきます。
このクラブは昔の日本で言う公民館や町内会みたいな役割も果たしていると思います。
(もっともサッカーに関しては、転換期を迎える可能性がありそうなのですが・・・)
先ほどドイツ在住の方のタイムラインを拝見していても、
元トップ選手が身近に居る
失敗に対する寛容さ。筆者は根っこが「社交」だからだと思っています。
◆タイ(アジア的なもの)
タイのことは「スポーツ」のまとめ、私見 に書いたので、こちらをご覧ください。
簡単に言うと、「興行」(神事?)だと考えています。
中国雑技団や日本の歌舞伎や能のように小さいころから積み重ねていくもので、そこに教育的な概念はありません。(起源的には)
スポーツ=教育だ、と言っても「?」となるのじゃないでしょうか?
別物として頑張っていると思います。
◆西洋的なもの
これは「教育」です。
皆さん良く耳にすると思いますが、スポーツは貴族のもので教育的な価値が高い、と言われてパブリックスクールにも導入されるようになった、というものです。
フットボールと違い、バドミントンは思いっきりこっち側ですよね。
襟付きの服しかダメだったとか、ラリー中は観客は話してはいけない、等、面影を感じ取れます。
◆アメリカ
「出世」っぽさを感じます。
私が感じたことを表現しているので、その点、あしからずご了承ください。
アメリカの場合、大学入試での課外活動の配点がとても大きいそうです。
点が取りやすい課外活動=スポーツということで、アメリカのジュニアスポーツは日本以上に過熱しやすいようです。
アメリカの運動場に掲示されている注意書きがあります。
「あたなの子供の心の声」(意訳が過ぎますかね?)
「私(僕)はまだ子供だよ?」
「楽しいゲームをしてるだけだよ?」
「コーチはボランティアでしてくれてるんだよ?」
「審判(運営)の人も人間だよ?」
「今日、大学の奨学金がゲットできるわけじゃないよ?」
◆ドミニカ
ドミニカの野球は「投資」です。
選手が商品なので、怪我等させられず、25歳位でピークを迎えるように育てられます。
日本のように、
・甲子園(全中、インターハイ)で勝てるように、ピークを持っていく
・チームでの勝利
なんてないようです。
ただ悪い商品のことなんて「知らない」って感じです。
アメリカに買われていく、という点でアジア的なものと若干違うかな、という気もしています。
最近はサッカーも世界的に投資傾向になっていますよね。
資本主義の論理なのでしょうがない、という感じでしょうか?
たまに問題が起きます。
マンチェスターシティの元ユース生が自殺したと聞いております。記事
問題が起きるたびに、対策が取られていく感じですかね。
◆日本
明治時代の欧米化の影響で、アジア的なものと西洋的なものがごっちゃになったのが日本、という私の印象です。
(教育って被支配層にはしないものですから、植民地にならなかったのが幸いした?)
またドイツのように「社交」にならなったのも、
・民主主義の概念が社会に浸透する前に、トップダウンで持ってこられてしまった
・資本が入ってきてしまった
・元々、寺社仏閣、町内会などのコミュニティがあった
気がしています。(勉強不足ですいません。全て私の印象です。)
結論から言うと、「ねじ曲がった教育的なもの」と私は言えると思います。
例えば、
「目標を持つことが大事」
→言外に「No.1になるように目標を持とう」と言われている気がします。
「試合に出るなら上手くなってから出よう」
→控えの選手はいつまで経っても試合に出れません。
あと、バドミントンも「性格が悪い奴が勝つ」なんて揶揄されつつ、礼儀を求められますが、これらの記事なんてどうでしょうか?
盲目的にスポーツは人格形成に役立つと社会が信じ、言葉を選ばずに言えば指導者や親が「悪用」するケースが散見されている、というのが日本の現状だと私は思っています。
各国の例を見ている中での私の理解は、「スポーツは教育として役立てようと考えて正しく使わないと教育にならない」です。
そのためには指導者がJSPOの言う「プレイヤーズセンタード」の概念理解や「funとenjoyment」の違い、各記事にあるような「やらせてみる」「失敗を許容する」こと、そして何より大事なのが社会構造からスポーツを理解する事、等を理解する必要があるでしょう。
なので、しっかり勉強して「教育」に「スポーツ」を役立てようというのが私の意見です。
4.競技スポーツは運動能力の開発に役立つのか?(主にバドミントンの話)
「教育」に「スポーツ」を役立てる、という私の意見を述べました。
どちらかと言うと「精神面」なお話でした。
次は運動能力のお話をしたいと思います。
こんなツイートがありました。
キーワードは「年齢に応じたボール遊び」ですね。
誤解なきように私なりに言い換えますと、「能力に応じたゲーム」が大事だと思います。
過去記事の「『あいつは、やる気がない』は、本当ですか?」の動画に出していますが、他競技は子供用の規格、あるいはTボールのような難易度を下げたゲームがあります。
テニスだと「STAY&PLAY」、アメリカのアイスホッケーでもコートを小さくしたものがあるそうです。
なぜこのようなことが必要かと言えば、
①スポーツは大人の為にデザインされている
②子供は小さい大人ではない
からです。
②「子供は小さい大人ではない」がかなり重要なのです。
私の子どもが通う幼稚園で「STAY&PLAY」していますが、「競技」にはなっていません。
あくまで「年齢(能力)に応じたボール遊び」だと思います。
(もっとも、順番に並び、コーチが球出ししてますので、遊びというかアクティビティですが・・・)
対して、バドミントンは下記ツイートのような光景が多いのではないでしょうか?
(YAMATO奈良さん、1つの光景だけ切り取って、批判してごめんなさい。)
私は競技の練習は、子供の運動能力開発に最適ではない、と思っています。
(長くなるので理由は端折りますが・・・)
公認指導者資格で学ぶのですが、「バドミントンの歴史的発展がプレーヤーの発達に酷似する」という話があります。
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「遊びの誕生」(1人遊び)用具の発展等
上手くなりたい・・・感情、意識、意志
↓
「遊びの発展」(2人遊び)様式の発展等
打ち続けたい・・・競争、協同。2,117回の寓意
↓
「萌芽的ゲームの誕生」(技術指向の分化)バドミントン・バトルドアーの出現
打ち勝ちたい・・・コート・ルールの原形の形成
↓
「バドミントンの成立」
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『バドミントンの歴史に学ぶ』阿部一佳・渡辺雅弘著
P10より
「ラギングバックが入った素振り」というのは、現在の競技バドミントンに必要な技術=遠くに飛ばすためのものであり、発達段階ではあとの方だと私は考えています。
子供が野球をやっていのですが、遠投出来ない子が多くいます。
動いて降ってくるシャトルを「ドンピシャ」で「教えられた素振りの形」で打つというのは、遠投よりもっとレベルが高いのではないでしょうか?
今のバドミントン界では、「教えられる」という環境、そして「落としてはいけないという競技特性」のためにエネルギー系体力が制限された形でコーディネートされてしまっている子が多いと思います。
というわけで、個人の発達段階を追いながら、なるべく教えることなく、伴走していくのが理想だと私は思っています。
このあたりも「funとenjoyment」や「スポーツをどう捉えているか?」が行動に関わるのではないでしょうか?
5.採点要素を導入したらどうだろう?
先日、「一発選考をやめてみよう」 の中で、普及と強化を分けるという話をしました。
思い付きレベルなのですが、普及大会として採点競技要素を入れてはどうかと考えました。
こちらの動画をご覧ください。
(ブログ読んで頂いている方には「またか」ですが・・・)
・バドミントンの発達段階に従い、「続ける」ことに重きを置く。
例:制限時間5分と決めて、一度も落とさなかったら10点、続かなったらマイナス1点、等
・技で加点する。
例:ハイバックを打ったら2点、股下で打ったら3点、スマッシュを取ったら2点、等
・他のペアとは点は競わなくても良い(あくまで自分たちの最高点を目指す。他のペアとは条件を変えることもある)
・連続50ラリーで加点等のルールを入れるとテンポも変えられる。
この採点基準導入の狙いは、
①どんなレベルの子もゲームに参加出来ること(ラケットが羽に当たれば)
②バドミントンのアクションフレーズ内の要素が全て入っている事
③レベルによって基準を変えやすいこと
④5分で終わるから待ち時間も少ない
⑤5分ノーミスで打ったら、めちゃくちゃ疲れる
です。
例えば、YAMATO奈良の選手と初心者がやったとしても、「YAMATO奈良の選手のスマッシュを返せたら10点」等、一発逆転要素入れたら盛り上がりそうですよね。
また、「リアコートからリアコートまで飛ばせたら5点加点」というルールを加えたら、初めから素振りを教えれるよりは、必要性を自分で考えて工夫するようになるのではないかと思います。
また「続ける」に重きを置くと、「相手に合わせて打つ」、「相手が失敗しても全力で取りに行く」という「思いやり」が前面に出ます。
そこに「いじわる」要素の加点が入るのですが、いじわるし過ぎると上手くいかない、ということで教育的にも良いのではないかと考えます。
素振りは基本じゃないのか?と批判が来そうですが、少なくとも「何もない所での素振り」はバドミントンの発達段階が低い人には基本じゃないと考えています。
教育的にも普及的にも害悪なのでは・・・?と思うくらいです。
自分もバドミントンの基本が何か?ということは、ちゃんと理解できていないと思いますが、とりあえず「2人でやるお手玉」が基本と考えています。
そこが抜けていると毎日素振りをしても全然うまくならない・・・ということが起きるのではないかな、と。
ご参考:基本に関する了徳寺大学、石井先生のツイート
この採点要素導入というアイディアも方法論なので、他の方法はたくさんあると思います。
「ゲームに参加しながら、自発的に能力が高まっていく環境」というのをバドミントン界でも多くしていきたいですね。
6.終わりに
「funとenjoyment」というツイートから長文記事が出来てしまいました・・・
最後まで読んで頂いた方、感謝申し上げます。
話を凄く広げて書いてしまい、わかりづからったかと思いますが・・・
わからない所やご意見がある場合はぜひご連絡ください。
建設的な話ならお受けしたいです。
とりあえず、採点要素を自クラブで取り入れて、遊んでみたいと思います♪
それでは、また☆
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